8月某日/酒場にて

世間では、帰省や海外旅行など民族大移動の真っ最中だ。これらに無縁な私としては、余計な出費や労力を免れ、平穏な生活を送れることに感謝したいくらいだ。
サラリーマンにとってのささやかな気晴らしとして、仕事帰りに寄り道をする。
扉を開けると、マーラー交響曲第3番が流れている。これは意外だった。
屋外の喧騒とは対照的な閉ざされた静かな空間で、手作りによる極上のカクテルを味わう。
タンブラーの底にミントの葉、少量のミネラルウォーターを加え、ペストルでミントを軽くつぶす。氷を入れバーボン・ウイスキーを注ぎ炭酸で割って、最後にミントを添える。これでミントジュレップの出来上がり。鮮やかな手さばきだ。

夏の暑さを忘れさせる爽快な香りと味わい、体の中をそよ風が吹き抜ける。

(画像は「Wikipedia」から借用)