8月某日/酒場にて

この日はヴァイオリン協奏曲が流れていた。ほどなくブラームスであることがわかる。今でも苦手とする曲ではあるが、聞き流すだけならいいだろう。
「秋の日の ヴィオロンの ため息の 身にしみて ひたぶるにうら悲し・・・」そんな詩があったような気がする。季節が変われば、印象も変わることだろう。秋の夜長には美しいヴァイオリンの音色が合う。
演奏が終わった。次は何か、と聴き耳を立てていたらメンデルスゾーンだった。音楽の授業のレコード鑑賞で聴いて以来、すっかりおなじみとなっている。堅苦しさが抜けて気分がくつろぐ。
最初のギムレットが効いたのか、次のウイスキーオン・ザ・ロックを飲み終える頃には、ほろ酔い気分を通り越してもう限界寸前だった。弱くなったものだ。曲の途中で席を立つ。