デルフの舞姫


練習を始めてすでに1年と3か月、やっとゴールに近づいてきた。競馬なら第4コーナーを回ったところだ。
曲を聴く限りでは簡単に弾けそうに思われたが、実際に練習を始めてみたら意外に手ごわかった。
ドビュッシーの音楽の魅力は、和音の響きにある。ところが、pp (ピアニシモ)、ppp (ピアニシシモ)の和音が難しい。ピアノの鍵盤は触れただけでは音が出ない。そうかといって、叩くとf (フォルテ)になる。その力の加減が思うに任せず、しかも親指と小指では力に大きな差がある。そこを均等にする必要がある。偶然にもうまく弾けると、夢のような音の世界にひたることができる。大げさのようだが、本当だ。
次に、両手が目まぐるしく左右に飛ぶ。ひたすら練習を重ねるのみ。
♯♭♮臨時記号が多く、楽譜を覚えるにもひと苦労する。頭では無理で、指に覚えさせることになる。楽譜を意識することなく、自然に手の形ができるようになればしめたものだ。
古代ギリシャの神殿とそこで優雅に舞う女性たちを髣髴とさせるまでに上達するのは、いつのことやら。