某月某日/昼下がりのワイン


「ワイン」という言葉にはなんとなく高級品のイメージが伴う。よそよそしい。私が家で飲む低価格のワインは、むしろ「ぶどう酒」と呼ぶにふさわしい。ぶどうの風味がじかに伝わってくるようだ。残念ながら、「ぶどう酒」という言葉は死語になりつつある。大勢に逆らわずに「ワイン」と呼ぶこととしよう。

先日ホットワインにして山へ持って行ったワインがまだ残っていた。封を開けたら早めに飲むに限る。「善は急げ」という。日の暮れるのを待たずに飲み始め、その日のうちに残り全部を飲み干した。アルコール度数5%と表示してあるから心置きなく飲める。

ワインに関してはいまだに味覚が鈍感なのか、低価格であってもまずいと思ったことは一度もない。ウイスキーや日本酒と違って、価格の差が感じられない。これは好都合だ。ぶどうの味と香りが味わえればそれでよく、昼間から飲むことにも違和感がない。外出もままならぬ休日の昼下がりにおけるささやかな楽しみでもある。