「春の祭典」

ストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽春の祭典」は、是非とも生演奏で聴きたい。
まるで、おもちゃ箱をぶちまけたような音の洪水を堪能できる。耳を澄ませば、ミミズがのた打ち回るような奇妙な旋律も聞こえてくる。
大胆な不協和音と変拍子のほか、打楽器だけがほかの楽器と全く異なるリズムを刻む箇所もあって、指揮者泣かせの曲である。スコアをすべて頭に入れるのだから、指揮者も御苦労なことだ。

この「春の祭典」を、愛知県立芸術大学の学生オーケストラが演奏するというので、お手並み拝見とばかりに出かけた。

さすが、並みのアマチュアオーケストラとはレベルが違う。弦楽器のアンサンブルはプロの域に達している。アマチュアにありがちな管楽器だけが突出することはなく、バランスよく全体に溶け込んでいる。
特筆すべきは女性のティンパニー奏者で、アーティストというよりは、まるでアスリートである。

我が母校の先輩でもある松尾葉子さんの指揮ぶりが、何と優雅で洗練されていることか。無駄な動きが一切ない。この人、日本舞踊かバレエの心得もお持ちなのではあるまいか。

6月23日 愛知県立芸術大学 奏楽堂